「鬼滅の刃」にて新たなる社会ブームを産み出した漫画家「吾峠呼世晴(ごとうげこよはる」氏の初短編集を今回は紹介していきます。
まずは面白いの?この作品?
独特の世界観と空気を持つ、ジャンプ作家では異才の吾峠氏のデビュー作は面白いのか?
答えはおもしろいです。
ただ全編シリアスな作品がメインで、コミカルさはほとんどありません。
この漫画の面白さがわかる少年達は良い大人になりますよ。
ネタバレなしで作品の世界観の説明を。
舞台は大正時代、現代となっています。
印象的なのが全編、乾いた空気観を持っていることでした。
この作品集の主人公達は特別な能力を持ち、人としての何かを失っている人物がほとんどです。
そんな人物達がこの世界の人々をを救うために手を差しのべます。
救われる人々によって何かを得るというスタンスの作品がメインとなっているのです。
その得るものとは、多きなものでもあり、日常でもあるのですが、それでも主人公達は己の足りないものを求めているというのが私のこの作品集に関する感想です。
連載デビュー作など作者の本質を見るには素晴らしい作品集。
連載デビュー作である「過狩り狩り」は「鬼滅の刃」の前進と言える作品で「鬼滅の刃」の読者ならニンヤリしてしまいますが、ものすごいダークな物語です。
構成的にも面白いものがあります。
「文殊史朗兄弟」は異質なヒーロー物として楽しめる内容です。
「肋骨さん」では鬼滅の刃のテーマ的な物を見ることができ、「蠅庭のジグザグ」は異能バトルを通して戦闘のおもしろさなども楽しめるでしょう。
なにしろジャンプでは異質な作品集ですが大人でも楽しめる内容となっています。
最後にコミックの紙の質が良くありませんでした?
それではまた、ぶちでした。